

担当地区内の店舗を支援・管理する仕事
スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社 ディストリクトマネージャー
鈴木 友子さん
コーヒーストア「スターバックス」の各店舗の売上や状況を管理するマネジメント(マネージャー)をしています。スターバックスならではの価値を提供しながらビジネスとしても成長していけるよう、店長やスタッフの相談にのり、アドバイスをする仕事です。コーヒーを楽しむお客さまはもちろん、働く人にとっても居心地のいい空間であることを目指します。
―どんな仕事?
お店の運営がうまくいくように
管理や指導をする仕事
スターバックスには1つのディストリクト(地区)に1名のディストリクトマネージャーがいます。店長の上司にあたるポジションで、担当地区内のお店の支援・管理や、店舗で働く人材を育成することが仕事です。サービスが行き届いているか確認をしたり、売り上げをチェックしたり、店舗運営の悩みがあれば助言をしたりしています。会社でプロモーションやキャンペーンを実施することが決まれば、各店に説明をすることも。会社とお店の間に立ち、地区の特徴を見極めながら居心地のいいお店になるように各店舗を指導していきます。

―仕事をするうえでのこだわりは?
お店のあるべき理想に込めた思いを
お店で働く全員に伝わるようにすること
店長にはお店の理想の姿を定期的に言葉にして掲げてもらいます。その際は必ず自分の言葉で表現をしてもらうことが私のこだわりです。スターバックスには接客のマニュアルがなく、お店での細かいふるまい方は各スタッフの判断にまかせています。だからこそ、お店やサービスのあるべき姿をスタッフ全員がきちんと理解している必要があると考えています。あるべき理想の姿とはどのようなものか。そこにはどのような思いが込められているのか。店長自身の中から出てくる言葉で表現をしてもらえば、熱量も高く伝えることができます。
―今の仕事の魅力とは?
自分のメッセージで、人に
成功体験をもたらすことができること
ディストリクトマネージャーとして店長をはじめとするスタッフのコンディションにも日々気を配っています。ところがある店舗で、大きなプロモーションと宅配方法の開拓プロジェクトの時期が重なったときはスタッフにネガティブな反応が生まれてしまいました。そこで「コロナ禍でデリバリーへのニーズがあるからこそお客さまのために成功させたい」という思いを伝えたところ、スタッフは共感してくれたようで、気持ちを切り替えて、前向きに取り組んでくれました。プロジェクトも大成功。人をいい方向に導けることがこの仕事の魅力だと思います。

―自分の得意をどう仕事に生かしていますか?
笑顔から信頼を構築することが
マネージャーの仕事に活きている
小学生のころ、校長先生から「いつも笑顔だね」とほめられました。何気ない一言だったと思いますが、それ以来、笑顔でいたいなと思うようになりました。笑顔を続けていると、先生がほめてくれた理由がわかってきました。笑顔は「あなたを受け入れています」というサインになるからです。そして、自分という存在を相手にわかってもらうきっかけにもなります。マネージャーは人を導く立場であるため、人として信頼を寄せてもらうことはとても大切です。笑顔をきっかけにして人とあたたかくつながる力がこの仕事に活きています。

ビジネスを持続させるために、各店舗の売り上げ達成支援も大事な仕事のひとつ。鈴木さん自身も長く店長として働いた経験があるため、地域ごとの特性を分析しお店の戦略を練っていく。

イラストが得意な従業員には黒板アートをまかせる。お店に掲示するイラストにも細かい指定はなく、個人のスキルを生かしてスターバックスらしさを自由に表現してもらう。

お客さまはもちろん働く人にとってもお店は「自分の居場所」。そんな空間を目指しています。
―今の仕事につながるきっかけは?
転校を重ねて気づいたのは居場所の大切さ
「第三の場所」が必要だと共感したのがきっかけ
親の仕事の都合で小学校を3回転校し、中学校から高校に進学するときも転居をしています。言葉や学校での生活、遊び方には土地ごとに違うので、引っ越すたびに早くなじめるよう、まわりを観察してよく考える癖がつきました。「違う」と指摘をされないように気を張りながらも、転校を繰り返すうちに「違っていて当然だ」とも思うようにもなりました。そのせいか、いつも自分が自分のままでいられる場所を求めていました。大学は自分の興味を深める場所だと思っていたので、社会学を専攻しました。あらゆる社会現象の「なぜ」を分析する学問と聞き、興味があったからです。将来は人が安らげる場所や時間をつくる仕事をしたいと思っていました。そこでスターバックスが提案をしていた「サードプレイス」という概念を知り、衝撃を受けました。自宅でも職場でもない、居心地のいい第三の場所。私がやりたかったのはそのような場所をつくる仕事だと気づき、ここで働きたいと強く思いました。
高校1年生
地方から引っ越して高校へ。まずは都会の生活に順応することと、新たな人間関係をしっかり構築することを目指す。部活に入りたいと思っていたものの、新生活に慣れることに精いっぱいであきらめる。
高校3年生
転校・転居の経験からコミュニティづくりは得意となるも、「自分だけの場所」も大切だと思うように。「社会とは」「常識とは」と考えてきたため、人と場所のあり方を学問にする社会学部を志す。
大学1年生
社会学の歴史を学び、これまでの学者や哲学者が確立してきた概念に触れて感銘を受ける。陸上ホッケー部にも入部し、念願かなって充実した毎日。社会にある多様なテーマに対し議論をする4年間。
社会人1年め
「サードプレイス」は誰にとっても必要だという思いからスターバックス コーヒー ジャパンに入社。店舗に配属されてキャリアがスタート。お客さまと接し笑顔を見ることにやりがいを覚える。
社会人13年め
店長として都心の人気店を切り盛りし、新店舗の開店を成功させるなど大活躍。「これぞ天職!」と思うほど充実した毎日を過ごす。
社会人14年め
上司からのすすめもあり、次のキャリアを考える。経験を活かし、お店づくりのノウハウを助言しながら人材を育成するディストリクトマネージャー職を目指す。登用試験を経て合格し、現職。

「社会をフラットに見つめる」ことが好き。その先に「誰かを尊重すること」がありました。
―仕事を通してこれから叶えたい・考えていきたいことは?
日本にも根付いたスターバックスが
本当の意味で、地域に密着するには?
笑顔を受け取ると思わず笑顔になってしまう。そのような最高の瞬間をお店の中でたくさん見てきました。スターバックスは人と人の気持ちが波及し合う場だと感じています。今後は、人が自然と集まって思いがリンクしていくような場としてお店の存在価値を発揮させていきたいです。そのためには地域の人に愛着をもっていただけるようなお店にならなくてはいけません。私自身も担当地域の特色をもっとクリアに理解し、地域で暮らしている方に心から共感できるようなディストリクトマネージャーでありたいと思っています。

―その目標を実現する上での課題は?
未来に向かって意味のある
長期的な取り組みをしていく
お店が「地域の方の日常の拠り所」となるべく、これまでも営業とは別に地域の方と町の清掃を行うなどの活動をしてきました。店長だけでなく、お客さまやお店のスタッフからもさまざまなイベントや取り組みのアイデアをいただきます。しかし単発的に実施をするだけではあまり意味をもたないものとして終わってしまいます。地域の方と5年後、10年後に向けて本当にいい未来を共創していきたいです。持続的な結果を生み出すにはどんなことが必要で、何ができるのだろうかと日々アンテナを張っています。
今はやりたいことがなくても、心がはずむような瞬間を大切にしてください。それは将来のやりたいことになるかもしれません。少しでも興味があるな、好きだなと思うことがあれば、楽しみながら勉強をしていきましょう。
この仕事人と関わりが深い 学問 は …「 商学 」
「 商学 」の文理度合い
※仕事にはさまざまな学問の知識がかかわりますが、その中で代表的な学問を表示しています。