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生きる力を育む「キャリア教育」の支援を行う仕事

キャリア教育コーディネーター

CAREE FLOWER キャリフラワー代表
荒川 由規さん

学生時代に「自分の好き」を探す大切さを伝えたい!

キャリア教育の目的は、生徒の職業観を養い、主体的に進路を選択する力を育てることです。その実現を支援する専門家が、2011年に民間資格となったキャリア教育コーディネーターです。地域の教育資源(人、施設、体験など)と学校を結びつけ、児童・生徒の多様な能力を活用する学びの場や、キャリア教育プログラムの開発・提供が仕事です。

  • #多岐にわたる経験や活動をする
  • #新しい考えやルールを生み出す
  • #人の役に立つ
  • #フリーランスで働く
  • #未経験の分野に挑戦する

今している
仕事について

―どんな仕事?

キャリア教育の充実のために、
学校と外部の架け橋となる仕事

キャリア教育は、小学校から大学まで、成長過程に合わせたテーマで行われます。学校側には、生徒たちにこう育ってほしいという願いや、授業のねらいがあるので、その思いを理解し、地域の教育資源を発掘します。その資源を生かし、専門家の講演や農業体験などの授業プログラムを開発してキャリア教育を支援していくことが私の仕事です。「必要な資源の発掘とネットワークの構築」「プログラムの開発・提案」が表立った仕事になりますが、もう一つ、とても重要な仕事に「プロジェクトの運営管理、連絡、調整」があります。最初はキャリア教育プログラムを提供している団体に所属するなどして仕事を覚え、ネットワークを築くことが大切です。私も教育NPOで5年間仕事をし、その後、仕事を広げるために独立しました。

―今の仕事の魅力とは?

自分らしい生き方の選び方を
教えながら、自分も成長できるところ

私がキャリア教育の授業に感動したのは、板前さんが大きなお魚をさばきながら仕事の説明をするのを、小学生たちが目を輝かせて夢中で見ていたからでした。こんな授業を自分もしたい!と思い、小学校のキャリア教育からスタートし、小中連携、中学校、高校、大学のキャリア教育にかかわり、私自身も成長してきました。生徒に的確なアドバイスができるように2015年にコーチングに関する資格を、生徒の仕事選択の悩みを受け止められるように2019年にはキャリアコンサルタントの資格を取得。2021年に大学院を卒業したことで、今は大学で「キャリアデザイン」と「キャリア教育のプログラム開発」「PBL(課題解決型学習)」を担当させていただいています。努力次第でやりたい仕事ができ、自分も成長できるのが、この仕事の魅力です。

―仕事をするうえで大切にしていることは?

課題の奥に隠れていることまで
聴き出せるように、話を聴くこと

学校にはそれぞれの教育目標があり、キャリア教育に関する課題も、それぞれに違います。「課題は何ですか?」と聞いただけでは、課題や先生の悩みの奥に隠れているものは見えてこないので、いろいろな角度から話を聴くことを大切にしています。「プログラム終了後、生徒さんがどう変わっているといいですか?」「先生は、終了後にどんな感想をもてればいいですか?」などの質問をし、そこから出てきたイメージを大切にしながら、ゴールを設定してプログラムを考えます。企業と連携して行うときは、企業側にも「工場見学ではここを見てほしい」といった思いがあるので、うまくすり合わせながら、生徒に役立つプログラムに仕立てていきます。終了後に、「生徒たちが主体的になりました」など、前向きな言葉がもらえれば、努力が報われます。

―印象に残っている仕事は?

小学校のキャリア教育で、生徒たちが
歌のプレゼントをしてくれたこと

キャリア教育コーディネーターの資格を取得して間もないころでした。担当していた小学校の最後の授業のときに、生徒たちがサッと整列して歌をプレゼントしてくれたんです。歌の歌詞には、「知らなかったことを知るよろこびを与えてくれてありがとう」という言葉が入っていて、先生や生徒たちが一緒に考えてくれたのかと思ったら、感動して、その場で号泣してしまいました。半年程度で行うプログラムが多いのですが、学校側の行事とぶつからないように講師の日程調整をするだけでも大変です。企業連携や小中学校連携など調整要素が増えるほど難しいので、プログラムが無事に終了したときは、いつも「やり遂げた」という達成感が味わえます。生徒たちから「ありがとう」の感謝の言葉を伝えられるとご褒美をいただいたようで、なおうれしいですね。

キャリア教育風景。自分の名前をもじって、「どんなあらなみもかわしてゆきます!」と自己紹介。生徒にも自己紹介を考えてもらい、「就職や受験の面接でも自己紹介は大切」と、キャリア教育の本題に入ることも。

現在、大学で教えている「キャリアデザイン」のテキスト。「何のために大学に入ったのか」「これからどんな学生生活をしたいのか」「将来どんな仕事に就きたいのか」を、14回の授業で明確にしていく。

仕事の必需品は、パソコンとタイマー。「キャリアデザイン」の授業を行うときも、学生同士のあいさつタイム、グループワークの説明、ワークタイムなど、時間を区切ってプログラムや授業を実施していくため、タイマーは手放せない。

これまでのキャリア教育コーディネーターの実績と今後の研究計画を出願し、大学院に合格。修士論文は「学校支援を通じた企業の人材育成に関する考察」。仕事をしながら2021年3月に修了。

勉強するのが好きですね。勉強したことが仕事に生かせて誰かの役に立つって、すごく楽しいことだと思います。

先輩の
進路ヒストリー

―今の仕事につながるきっかけは?

学生時代に「自分の好き」を探せず、仕事選びに失敗した
からこそ、「キャリア教育」の大切さを伝えたいと思った

中学生のときに父が事業に失敗し、高校時代はアルバイトに追われていました。当時は「キャリア教育」などなかったので、先生に進路相談することもなく、大学は諦めてビジネス専門学校に進学。「女性の仕事といえば事務職」という先入観があって選んだのですが、事務職はまったく合わず、2年弱で辞めてアルバイトをしながら自分に合う仕事を探すことに。人と接する仕事に向いていると気づいて提案営業の仕事に転職してからは、「自分の提案を生かせる仕事って、何て楽しいんだろう!」とワクワクする毎日でした。26歳で結婚し、子育て中の30代に海外留学生のホストファミリーを経験したことで視野が広がり、教育に興味をもつように。38歳のときに大阪の教育NPOでスタートしたばかりの「キャリア教育」の授業に感動し、その直後に、教育NPOの代表に「私にも何か手伝わせてください!」と直談判。「ビビッときた!」という表現がぴったりな仕事との出合いで、人生が変わりました。

先輩のいままで年表

高校1年生

パン屋さんの販売やガードマンなどのアルバイトをしていたので、仕事に興味はあったが、 大学進学は経済的に無理だったため、将来の仕事は考えることさえしていなかった。

高校3年生

男女雇用機会均等法が施行(1986年)から3年が経っていた が、女性の仕事はまだ事務職中心で職種は限られていたため、ビジネス専門学校に1年通って就職をしようと決める。

社会人1年め

経理事務の仕事に就いたが書類を処理する仕事がまったく性に合わず、自分は何のために働いているんだろうと悩み、2年弱で退職。その後、服飾販売、飲食店接客などを経験する。

社会人6年め

人と接する仕事に向いていると気づき、24歳で文具メーカーの提案営業に。仕事は楽しかったが26歳で結婚退職。27歳で第一子、30歳で第二子出産。

社会人20年め

30代で海外留学生のホストファミリーを経験。視野が広がり教育に興味をもつ。教育NPOで「キャリア教育」の授業のビデオを観て感動。38歳で教育NPOに再就職する。

社会人24年め〜

キャリア教育コーディネーターの資格取得。43歳でフリーランスとして仕事開始。コーチングに関する資格とキャリアコンサルタントの資格を取得。大学院修了。仕事をしながら学び続ける。

先輩が大切にしてきた価値観は?

どんな仕事をするかは、「どう生きるか」ということ。
人生は一度きり。自分の花を咲かせよう! をモットーにしています。

未来につながる
先輩からのヒント

―仕事を通してこれから叶えたい・考えていきたいことは?

留学生との交流プログラムを考えるなど、
海外との架け橋になり、海外でも働くには?

留学生のホストファミリーをしていたときに、留学生たちの旺盛な学習意欲と自分の可能性を広げていくエネルギーに、とても刺激を受けました。狭い世界に身を置いて悩んでいたことも、視野を広げると、「何てちっぽけな悩みだったんだ」と思えます。次は、キャリア教育をテーマにした、留学生と日本の中学生や高校生の交流プログラムに取り組みたいと思っています。いずれは海外でも働きたいです。

―その目標を実現する上での課題は?

海外での仕事や留学生への支援ができるように、
日本語教師の資格を取得したい

留学生への授業ができるように、今は日本語教師の勉強をしています。自分がやりたいことをやるために、勉強をして資格を取得し、人とのつながりを広げ、仕事を広げ、自分の生き方を広げてきました。どんな仕事をするかは、「どう生きるか」と同じことです。これからも学び続け、自分の可能性を信じて挑戦し続けたいです。

先輩から高校一年生への
アドバイス

人生の主役は自分! 可能性は無限にあるので
自分で限界を決めず、自分を信じて挑戦してほしい

私自身が、高校時代に経済的な理由から「自分の夢探し」をあきらめた経験があるからこそ、「キャリア教育」の大切さを実感してこの仕事に就きました。自分の可能性を信じ、「なりたい自分」になることをあきらめないでほしいです。

この仕事人と関わりが深い 学問 は …「 教育学 」

「 教育学 」の文理度合い

  • 理系
  • 文系

※仕事にはさまざまな学問の知識がかかわりますが、その中で代表的な学問を表示しています。